わが想い出の映画・「警察日記」
NHK・BSプレミアムで放映している「山田洋次が選ぶ、日本の名映画100選」、昨夜は久松静児監督の「警察日記」だった。私が高校を卒業して社会人になって間もない1955年(昭和30年)の作品、この映画を観てすごく感動、それがきっかけで周囲から「映画狂」と揶揄される青春時代を過したわけだから、何とも懐かしい。ストーリーは磐梯山麓の小さな町の警察署を舞台に繰り広げられる他愛ない人情噺に過ぎない。しかし、戦後の絶望的なひもじさの故に、親子、兄弟、夫婦が引き裂かれてゆく時代、そのなかで人を思いやる温かい「やさしさ」が随所に顔を覗かせるのである。もはや失われてしまった「日本人の心」が鮮やかに甦る。バックから終始流れてくる民謡「会津磐梯山」「新相馬節」の哀切な旋律が、さらなる「感動の涙」を誘う・・・
この映画の主演は警官を演じる「森繁久弥」だが、最も強烈な印象なのが6歳の少女を演じる「二木てるみ」だ。久松監督は彼女を膝に乗せ、可愛がっていたというから、その演技がこのドラマの核心と位置付けていたのだろう。少女と赤ん坊を捨てた母親が警察に自首する。しかし、自分で育てることはできない。世話をしている料亭の女将が子供にしてもいいと言う。子供たちの姿を一目見たいと願う母親に森繁警官は粋な計らいをする。母親をジープに乗せて子供たちが待ち受ける料亭の前をゆっくり往復するのだ。ジープを運転する宍戸 錠演じる若き警官の目も潤む。窓から隠れるようにして見つめる母親、それを感じているかのようにジープの行方をいつまでも目で追う少女・・・豊かになり過ぎたが故に、失ったものの大きさを痛感する映画ではある・・・
今日の記念日の花は、サンダ―ソリア。花言葉は、祈り。 今日の一句は、「鍋焼きと きめて暖簾を くぐり入る」西山泊雲。
今日の記念日は、太平洋記念日。
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