文化・芸術

2014年10月 8日 (水)

ノーベル物理学賞、日本3氏受賞!

  今年のノーベル物理学賞、日本人として赤崎 勇・名城大教授、天野 浩・名古屋大教授、中村 修ニ・米カリフォルニア大教授の3氏受賞となった。赤崎、天野氏は青色の発光ダイオード(LED)を初めて作り、中村氏は実用化につなげた。光の三原色のうち赤色と緑色はLEDは1960年代に実現、青色を放つ半導体結晶を作るのに困難を極めたという。そして、平成元年、ついに青色LEDの基礎技術が完成、「目にしみるような青さで、本当に感動した」と語る赤崎氏。同氏の研究に協力した天野氏はまだ大学院生だったが、功績が評価され連名受賞。そして、その実用化の手法を発明した中村氏も同時受賞となる。日本人としてご同慶に堪えない次第・・・

  そのノーベル賞、今年の平和賞に「日本国憲法九条保持」がノミネートされているのは周知のこと。何でも神奈川県の主婦が申請したらしいが、何とこれが現在受賞の最有力候補になっているとのこと。平和賞はノルウェイの国会が選ぶ5人の委員会が決定する。「ノーベル平和賞ウォッチャー」として知られるオスロ国際平和研究所が、これを最有力候補と予想したことで俄然注目が集まっている。この発表は10日(金)の18時以降となっているが、どうなるか? いま日本政府は、受賞しないよう働きかけているという怪情報も流れているが、もし憲法九条が受賞したとなれば、さて?・・・オバマ、ゴアも受賞した平和賞、「憲法九条・・・」まさかとは思うが・・・

 今日の誕生日の花は、ノボタン。花言葉は、自然。 今日の一句は、「水の上の 澄みしひかりの 秋のひる」野見山朱鳥。

2014年2月18日 (火)

祝「黒木 華さんの銀熊賞受賞」!

 第64回ベルリン国際映画祭で黒木 華さんが最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞したことに驚く。山田 洋次ファンとして、「寅さん映画」以来、すべての作品を観ている私は、もちろん「小さいおうち」も例外ではなかった。しかし、観た直後、この映画から、それほどの感銘を受けなかったことは事実。山田監督と同世代の人間として、時代のノスタルジーは強く感じたが、激しく心を揺り動かされるものではなかった。ただ、松たか子演じる「平井時子」の秘めたるロマンスに、幽かな「もののあわれ」を覚えたことは確かだが・・・それにしても、女中の「布宮タキ」役の黒木 華さんの演技が、これほど世界から絶賛され、評価されるとは・・・自分の不明を恥じるほかない・・・

 黒木 華さんは言う「山田監督から『人間は決して表裏一体じゃない、顔で笑って心で泣くのが人間だから』と教えて頂きました」と。昔、名家や旧家には女中さんがいた。女中さんは、奥様のお手伝いが多いから、自分で喋れない時は手や表情で芝居をすることを山田監督は彼女に求めたという。「自分を抑えて生きる」ことの難しさ、厳しさ、切なさを体験したのが女中さんだったと言える。山田監督は言う「この映画は、嬉しかったこと、悲しかったこと、そして誰にも言えない罪も含めて、自分の人生を大切に生きている人々の物語」と。「昭和」は、そんなつつましやかな時代だったかもしれない・・・もう一度、改めて観たい!・・・

 今日の誕生日の花は、タンポポ。花言葉は、思わせぶり。 今日の一句は、「たんぽぽや 嬉しきときに 出る泪」成毛克子。

 今日の日は、エアメールの日。 

 

2014年2月16日 (日)

「ランドセル俳人」

 15日放映のMBSテレビ「小学生俳人」を視て感動する。岸和田市に住む小学6年生・西村凛太郎君(12歳)が、いじめに遭い自宅でひきこもるなかで、すばらしい俳句を詠むようになったいう話をドキュメンタリータッチで紹介している。すでに出版されている句集「ランドセル俳人」は6万部を数え、俳壇ではかなり有名らしいが知らなかった。好きな「小林一茶」にあやかって俳号は「小林 凛」。朝日俳壇の撰者、金子兜太氏は、彼の句「かき氷 含めば 青き 海となる」をあげて、「大人よりも深い想像力の豊かさに舌を巻く」と感嘆する。西村少年は言う「俳句とは、心に表せないものを表すもの」と。まさに俳句は「感性の芸術」と謂われる所以だろう・・・

 わが高校時代、大好きでよく詠んだ俳句だが、最近は時間的な制約もあって専ら観賞、各新聞の俳句欄をスクラップして愉しんでいる。「朝日俳壇」も欠かさず目を通しているが、金子兜太選の「小林 凛の句」は見逃している。そのひとつに「紅葉で 神が染めたる 天地かな」(9歳の作)という秀句がある。感性と省略の文学と言われる俳句、いざ作るとなるとなかなか難しい。少なくとも句会に入って切磋琢磨、揉まれないといい句はムリ、しばらくは作れそうもない。若い頃「食膳に 鮭一切れや 蚊を払う」が選ばれた記憶があるが、やはり句作には「素朴さ」「素直さ」が何よりも大事。目下勉強中といったところか・・・わが好きな俳人は「高浜虚子」「久保田万太郎」・・・

 今日の誕生日の花は、フキノトウ。花言葉は、愛嬌。仲間。今日の一句は、「古垣の 縄わうと落つ 蕗のとう」室生犀星。

 今日の日は、天気図記念日。

2014年1月 3日 (金)

小説「団塊の秋」

 年末、覗いた書店で一冊の本を見つける。それは堺屋太一著「団塊の秋」。終戦直後の1947年~1949年に生まれたベビーブーマーたち、堺屋太一氏が著書「団塊の世代」で予言した通り、その後の日本の社会で特異な現象を生んでいく・・・あれから60数年経たいま彼ら彼女らはどうしているか? そしてこれから激変する時代の波に揉まれて、どんな人生を歩もうとしているか? 男性5名、女性1名を俎上に乗せ、2015年~2028年までの人生を堺屋氏独特の鋭い視点から、そして軽妙なタッチで描いているのが小説「団塊の秋」である・・・

 小説の冒頭に出てくる架空新聞記事・・・2015年3月26日 木曜日 毎朝新聞 「老若対立が激化! デモ隊がスレ違う」に驚かされる。「高齢者雇用維持法」の制定を求める高齢者・6千人のデモ隊と若者たち5千人による「高齢者は若者に席を譲れ」とプラカードを持ったデモ行進が財務省、経産省前の路上ですれ違った・・・結局、人口の高齢化が進むなか、年金支給開始年齢が引き上げられ、若者の失業率が20%に悪化、高齢者と若者の職の奪い合いが始まるということ。それもあと2年後。俄かに信じがたいことだが、堺屋氏はそう予想しているのだろう。この本の扉にある言葉が心に残る・・・「人生は、玄(くろ)い冬にはじまり、青い春と朱(あか)い夏を経て、白い秋に至る。暗い冬で終わるのではない」・・・

 今日の誕生日の花は、フクジュソウ。花言葉は、幸せ招く。 今日の一句は、「日記まだ 何も誌さず 福寿草」福田蓼汀。

 今日の記念日は、くるみパンの日。

2013年2月21日 (木)

第26回サラリーマン川柳コンクール・100句より

 19日、第一生命保険が発表した「第26回サラリーマン川柳コンクール・入選100句」、風刺を効かせたユーモアが面白く、つい苦笑してしまう。サラリーマン生活を永年やっていた者として身につまされる句も多い。また、時代と共に移り変わる世相を反映した句もあり、学ぶ点も少なくない。たとえば、政治、経済のほか急速に普及するスマートフォンやタブレット型端末、フェイスブックなどの交流サイトの句など・・・応募総数は30490句で14年ぶりに3万句を超えたという。5月下旬に上位10句が選ばれるが、投票受付は19日、同社本社やホームページまで・・・

 選ばれた100句のうちから・・・●ips 再生したいな 国・経済。●妻よりも しゃべってなでてる タブレット。●政治家も ビールに負けじと 第三に。●「『辞めてやる!』 会社にいいね!と 返される。●党名を 覚える前に 投票日。●父からの 友達申請 ひく娘。●やな上司 退職したのに 再雇用。●家族割 あるのに妻と 通話なし。●携帯と 亭主の操作は 指1本。●領土権 我が家はみんな 妻のもの。●読み切れぬ 妻の心と 円と株。●家事停止 望むは妻の 再稼働。●ノーベル賞 家(うち)にないのは 平和賞・・・さて、どんな川柳句に投票するか?!・・・

 今日の誕生日の花は、オウバイ。花言葉は、恩恵。優美。 今日の一句は、「黄梅や 夜空あかるき 雨の音」石飛如翠。

 今日の記念日は、歌舞伎の日。

2013年1月 3日 (木)

「五行歌」との出逢い

 今朝の日経新聞40面文化欄に載った、草壁 焔太氏の「五行で伝える私の心」が目を惹く。草壁氏が19歳の時に出逢った矢代東村(やしろとうそん・昭和初期の歌人)の歌に刺激されて、「五行歌」に取り組んだのだという。その五行歌とは ≪麦畑だ。/楢の林だ。/高圧線の大鉄塔だ。六月だ。/野だ。≫ というもの。音数は自由で全体を5行に分けるというスタイル。今、愛好者の集まりが全国に150ヵ所あり、大勢の人が愉しんでいるという・・・≪生きることが/そのまま/あなたへの恋文となる/そんな一生で/ありますよう≫・・・「これは奥さんの作だが、『あなた』が誰なのか、はたして本心なのか、怖くて聞けない」と草壁氏は言う・・・

 思えば私も俳句・短歌の世界に首を突っ込んだのは多情多感な19歳のときだった。誘われるままに高校の先生たちの句会に参加、さんざんしごかれた。社会人になって職場俳句同好会に入り、それなりに評価されたことはあったが、そのうちに仕事(営業)が面白くなり、句作から次第に離れていった。しかし、独立した22年前から、いろんな「文」を発信するビジネスに携わったことで、「感性」「掴み」「省略」という俳句の技法がわが脳裡に甦ったわけである。しかし、句作に耽る時間的余裕がなかった。そのため今は名句を鑑賞するのみで、本格的な句作は80を過ぎてからと思っていたが、この「五行歌」に出逢い、「面白いかな」と思い始めているところである・・・≪壊した/ビルの/跡に/建つ/青空≫後藤栄理子(第15回五行歌大賞)・・・

 今日の誕生日の花は、フクジュソウ。花言葉は、幸せを招く。 今日の一句は、「病室の 暖炉のそばや 福寿草」正岡子規。

 今日の記念日は、ひとみの日。

2011年12月12日 (月)

12月12日の記念日は「漢字の日」

  今日、12月12日の記念日は「漢字の日」。「日本語の中核となる漢字」が持つ意味を学び、また「いい字(12)」を少なくとも「一字(12)」は覚え、日本文化への認識を深めようと、1995年「漢検協」によって制定されたもの。その年の世相を表した「今年の漢字」を全国公募、今日、京都・清水寺で発表され、森貫主が揮ごうする。因みに、2010年は記録的な猛暑日が続いたことや、暑さ対策への支出と野菜価格の高騰が消費者の生活を直撃したことで、「暑」が「今年の漢字」に選ばれている・・・

 さて、今年の漢字に何が選ばれるか? 過去と言えば、04年「災」、05年「愛」、06年「命」、07年「偽」、08年「変」、09年「新」、10年「暑」・・・と続いてきたが、今年は? 世相と言えば、やはり3月11日に発生した東日本大震災であり原発事故だ。2万人以上の犠牲者を出した未曾有の大惨禍、その後の放射線の恐怖・・・しかし、そこから生まれた「助け合う」日本人の姿と心が、世界に評価された年でもある。その意味で、「絆」や「祈」などが下馬評に上がっているわけだが、どうなるか?・・・発表を待ちたい・・・

 今日の誕生日の花は、ワタ。花言葉は、優秀。 今日の一句は、「綿を干す 寂光院を 垣間見ぬ」高浜虚子。

 今日の記念日は、漢字の日。

2011年9月28日 (水)

NHK朝の連ドラ「おひさま」

   自宅で仕事をしだして以来、やみつきになっている朝のNHK連ドラ、この半年は「おひさま」を存分に愉しむ。いよいよ今朝は最終の第26週、あと3回で終わりだ。主人公、陽子に扮する井上真央が実にいい。チーフ演出を担当した笠浦友愛氏が言う「柔軟で確かな感性を持っている。平成の高峰秀子になれる」と。さらに、「笑顔、泣き顔も100通りあるぐらい繊細なお芝居をする」と激賞、たいへんな女優になるのではないか。他に驚いたのは、父・良一役を演じた「寺脇康文」だ。欠かさず観てきた「相棒」、あのひょうきんな亀山 薫役から一転、謹厳実直な公務員役を演じ、それなりの味を出しているからだ・・・

 このドラマの時代背景は、我々よりも数年前ということにも一入の懐かしさがある。万事、たいへんな時代だったが、地域には「人」の温もりというものがあった。また、山野には自然美が溢れており、このドラマでも安曇野の山、川、蕎麦畑の美しさは格別だった。演出した笠浦氏は言う「”朝どら”は、他のドラマと比べて撮影期間と放送期間が非常に長い。演出に当たって中学で習った『慣性の法則』が念頭にあった」と。つまり、「静止状態または一様の直線運動の状態にある物体は、外からの力が加わらない限り、その状態を保ち続ける」という法則である。この半年、愉しませてもらい、心から感謝したい・・・

 今日の誕生日の花は、トリニア。花言葉は、愛敬。 今日の一句は、「あきかぜの ふきぬけゆくや 人の中」久保田万太郎。

 今日の記念日は、パソコンの日。

2011年6月 7日 (火)

最近の「出版業界事情」

 日ごろ、本や雑誌を情報源としている身として、出版業界の動向が気になるところ。「財部誠一ビジネス研究所」制作のテレビ番組、「変動の激しい出版業界」が興味深かった。今、本が売れなくなっているという。販売金額が大幅ダウンしているが、中でも出版社の最大の収益源であった「雑誌」は、この5年間で760億円落ち込み、経営を揺るがしかねない事態になっている。アマゾンなどネット販売に食われているのは事実だが、日本の書籍流通システムにも問題がある。即ち、「取次店」という卸売業者が介在することである・・・

 取次店は本の代金をまとめて出版社に支払う。小売店は本を定価で販売、売れなかったら返品ができる。これが明治以来続いてきた日本独特の再販制度、委託販売制度と言われるものだ。書籍代が西欧よりおよそ半値というのも、この制度の恩恵だ。気になるのは資金システムである。出版社は取次店に本を委託すると所有権が移り、代金が貰えるので、店頭で売れなかっても、一応、「売り上げ」が立つ。極端に言えば、本が売れなくても多量に刷って押し込んでしまえば、一時的に現金化できるわけだ。従って、自転車操業に陥らざるを得ない。そのリスクを避けるため、最近、出版社は取次店を通さずに直販するケースが増えているという・・・

 今日の誕生日の花は、イワカガミ。花言葉は、忠実。 今日の一句は、「蛍篭 昏(くら)ければ 揺り炎(も)えたたす」橋本多佳子。

 今日の記念日は、母親大会記念日。

2011年5月 6日 (金)

映画「浮雲」と屋久島

  山田洋次監督が選ぶ「家族を描いた名画100選」、5本目の「浮雲」を観る。林芙美子原作、水木洋子脚本、成瀬巳喜男監督、高峰秀子主演、森 雅之共演・・・1955年の日本映画賞を総なめにした傑作である。「花の命は短くて 苦しきことのみ多かりき」という有名なフレーズに象徴されるように、戦中、戦後の混乱期に翻弄された男女の「愛の苦闘」が絶妙なタッチで描かれている。「別れようとしても別れられないのは、身体の相性が合っていたからだろう」と成瀬監督は言うが、人間の深奥を見つめる監督の目は鋭く、また温かい・・・

 高峰演ずる幸田ゆき子が、体調を崩すなか愛人富岡(営林省官吏)について行った屋久島、そのボロ家で死ぬラストシーンが実に感動的だった。暴風雨の中、ランプを引き寄せて、ゆき子に口紅を塗って死化粧をほどこす森演ずる富岡、その翳りある容貌が突然崩れ、ゆき子に被いかぶさり肩をゆすって号泣する、いつまでもいつまでも・・・昔、観たこの映画の「屋久島」が強烈な印象で、数年前、友人連中と共に訪れたことがある。まさに「月のうち35日は雨」に譬えられるだけあって、「雨」に加え、巨木と猿と鹿と温泉の島という印象が今も強く残っている・・・

 今日の誕生日の花は、シャクナゲ。花言葉は、威厳。  今日の一句は、「おそるべき 君等の乳房 夏来たる」西東三鬼。

 今日の記念日は、立夏。