書籍・雑誌

2015年3月 2日 (月)

「文藝春秋」苦戦!

  いつも興味をもって見ている月刊情報誌「選択」の「マスコミ業界ばなし」、3月号に取り上げている「総合月刊誌・文藝春秋の部数が激減している」との記事に驚く。往時は発行部数65万部と公称してきた「お化け雑誌」だったが、最近は実売でこの半分にも満たないこともあるという。この原因は紙面づくりや内容ではなく、「読者の高齢化」にあるというから何か切ない。かつては全国の企業社長が購読しており、応接室などに置いてあった。読んでいるかどうかは別にして、「文春」を置くことが一種のファッションみたいだった・・・

  こういった定期購読者が徐々に現役から引退していることが最大の原因であることは間違ない。かく言う私もその部類の一人だが、依然、「文春」の愛読者で定期購読は続けている。情報提供という仕事の関係上、内容が非常にバラエティに富んでいる点がありがたい。ただ、少し以前、編集が「保守」に傾きすぎていた時期もあったが、あれは頂けない。中庸というか、バランスのとれたものにしてほしい。難しさもあって編集長の交代が頻繁だ。現編集長も、「新しい読者層をめざして模索しているが結果が伴わない」と嘆いているとのこと。この項の筆者曰く「・・・健闘を祈りたいところだが、交代説が出始めていると言うから、世知辛い」と・・・総合月刊誌でトップを走り続けていた「文春」すらこうだから、「選択」や「ファクタ」などもたいへんだろうとお察しする・・・

  今日の一句は、「三月の 風は移り気 花売女」草間時彦。

2014年10月27日 (月)

読書週間

  今日から11月9月まで「読書週間」という。26日の毎日新聞が掲載した「第68回、読書世論調査」が興味深い。それによれば、読書率は昨年より微減だが、やはり新聞の落ち込みが大きい。昨年より4ポイント減って65%という。逆に増えたのはインターネット、61%で昨年より4ポイント増。書籍、雑誌を読む人は2ポイント減。本を読む動機は、「感動したり愉しんだりする」が圧倒的に多い。このややこしい時代、皆の気持ちがそうなのだろう。いくら電子時代になっても書店に人が絶えない所以ではないか・・・

  しかし、電子書籍も着実に増えているのも事実。「電子書籍元年」と言われた2010年より、2割も増えている。スマホ利用が73%というから時代なのだろう。私の発信する情報を新幹線の中で視ているという人が増えてきた。私の場合、まだまだ「紙」に未練があり、ぼぢぼちやろうかという段階である。仕事を始めてから読書の傾向も激変、「静かに『読書の秋』を満喫できるのはいつの日か」と一人苦笑する・・・読書週間、今年の標語は「めくる めぐる 本の世界」。本は愉しむべしだが・・・

  今日の誕生日の花は、ナナカマド。花言葉は、私と一緒にいれば安心。今日の一句は、「ななかまど わが家の方へ 山幾重」相馬遷子。

しばらく出張しますので、休ませていただきます。

2014年8月13日 (水)

4~6月期のGDP速報値「年率換算・マイナス6.8%」に

  注目の「4~6月期GDP速報値」、今朝8時50分内閣府から発表されたが、マイナス1.7%、年率にしてマイナス6.8%となり、ほぼ予想通りの結果となった。やはり、消費増税がそれなりの影響があったということ。即ち、個人消費が5%、設備投資も2.5%と、共にマイナスとなっている。心配されていた株価は、現時点ではわずかにマイナスで、大勢には影響なさそうだ。文藝春秋誌9月号に寄稿した安倍首相の「安倍晋三 アベノミクス第二章起動宣言」が話題となっているが、「景気回復の風がすべての国民に行き渡るまで手を打ち続ける」と意気軒高。何となく逆風を感じる昨今の情勢だが、がんばってほしい・・・

  次の消費税10%の増税は、7~9月期の数値で判断されるが、この発表は11月中旬。今朝6時43分からのNHKラジオ・朝のビジネス展望に出演した吉崎 達彦・双日総研チーフエコノミストは、「コンセンサスは7%」と言っていたから当たったようなもの。ただ、口さがない連中は言う「GDPの前期比で出す速報値のこと、もし今回の4~6月期が悪い場合、放っておいても7~9月期がよくなるわけだ。従って、政府は4~6月期がたとえ悪くても、諦めてその分7~9月がよく見えるからいいじゃないかという計算をしているのではないか」と。しかし、今回、予想通りの結果となり、国民の関心は7~9月期の経済に移る・・・「速報値の関心の高さに比べ、確定値には誰も注目しない」に驚く・・・

  今日の誕生日の花は、サギソウ。 花言葉は、夢であなたを想う。 今日の一句は、「風が吹き 鷺草の皆 飛ぶが如」高浜 虚子。

2014年7月 1日 (火)

分かりやすい藤巻健史著「迫りくる日本経済の崩壊」

 今、なんとなくほんわかとしたムードに包まれているわがニッポン、「明日は大丈夫か?」を頭の片隅に置いて、世の中の動きを眺めている身として、今、大きなウエイトを占めているのが日本財政、とりわけ「日本国債の問題」だ。1997年、橋本内閣の時、財政危機が叫ばれた。この時、経済評論家・浅井 隆氏(第二海援隊社長)は、「経済の衝撃」(総合法令出版社刊)を上梓、警鐘を鳴らし大反響を呼んだ。この時の累積赤字はたったの369兆円。が、現在は1025兆円、何と3倍にも増えている。しかし、「売れば自分の首を絞めることになるので誰も国債を売ろうとはしない。だから国債市場は崩れるはずがない」という学者もいるが・・・

 昨日、いつも行く地下鉄御堂筋駅構内の書店掲げてあった「当店の売れ行きベストテン」のトップに藤巻 健史著「迫りくる日本経済の崩壊」があったことに驚く。つい先日買って読んでいるところだからだ。モルガン銀行東京支店長から参院議員(維新の会)に転身、今や国会質問はじめメディア、マスコミに登場、経済、金融問題に関しては抜群のインパクトを示す。日本国債を買い続けている日本銀行を厳しく批判、そして「まだ大丈夫だ」と言っている専門家に対し「国民の財産がすべて”ネズミ講”にシフトするまで、”ネズミ講”は破綻しない」と言っているようなものと手厳しい・・・浅井氏が警鐘を鳴らしてから17年。この問題は自分で判断するしかない・・・

  今日の誕生日の花は、アザミ。花言葉は、独立。触れないで。 今日の一句は、「双眼鏡 遠き薊の 花賜る」山口誓子。

 今日の日は、山形新幹線開業記念日。

2013年12月29日 (日)

哀愁漂う「慎太郎節」

 今日、発売されたばかりの情報誌「選択(14年1月号)」の「社会・文化●情報カプセル」に掲載された記事に注目する。「『過去の人』になる石原慎太郎、文芸誌からも相手にされず」という見出しで、何でも文芸誌「すばる」(集英社)に小説掲載を依頼するため電話したところ、女編集長から「あなたは差別主義者です」「あなたの小説は一切掲載しません」と言って断られたらしいというのだ。永年、芥川賞選考委員として君臨し、文芸界では言いたい放題だった「慎太郎節」、どうも近ごろは哀愁すら漂っているとのこと・・・

 他方、今朝のMBSテレビ「時事放談」で、野中広務氏が「猪瀬5千万円借用問題」ついて、「これは事件として政界にも広がるはず、今後、猪瀬を徳田虎雄に紹介した人物が浮きあがってくるはず」と発言して驚かせたが、その人物とは「石原慎太郎」との噂が専らだ。かつては盟友関係にあったはずの両者、実名は出さなかったものの「?」を禁じえない。「安倍首相の靖国神社参拝」が内外に大きな波紋を投げかけている時だけに、これに「猪瀬問題」が事件として政治に波及するとすれば、2014年、政界にまさかの再編劇が惹起される可能性がある・・・一寸先は闇といわれる永田町、何が起こるかわからない・・・

 今日の誕生日の花は、南天。花言葉は、私の愛は増すばかり。 今日の一句は、「事小康 葉が多すぎる 南天に」中村草田男。

 今日の記念日は、シャンソンの日。

2013年12月 3日 (火)

「駅売り」新聞の衰退が続く・・・

 手元に届いた情報誌「選択12月号」をめくると、目に入った巻末記事、「マスコミ業界ばなし」が興味を惹く。何でも「駅売り」に依存するメディアが苦境に立っているというのだ。すなわち、全体の約4割を「駅売り」に依存するスポーツ紙、2000年には630万部あった発行部数が、昨年は405万部まで激減している。この間、一般紙は約8%減にとどまっているから、いかにスポーツ紙の下落は深刻かということ。この穴を埋めるため各紙は、若年層をターゲットに”副業”に走っていると同誌は伝えている。「アニメやアイドルに食わせてもらって記事の質も低下。何屋だか、わからない」と記者は嘆く・・・

 これまでスポーツ紙を支えてきたのが団塊の世代、そのリタイアが一段落したはずなのになぜ? 若年層の読者がなかなか増えてこないのだ。加えて、団塊の世代に続く層が退職していくと、さらに減少が続く。他方、販売のほとんどを駅売りに依存する夕刊紙も惨状を呈している。かつて首都圏だけで各紙20万部売れていた姿は今やない。「夕刊フジ」では「継続的な人員削減でスタッフが5年前の半分もいない」という。まさに同誌が伝えるように「電車で紙面を開くのは珍しい光景になる日も近い」・・・そう言えば今や電車では、携帯電話やスマートフォンの花盛り・・・

 今日の誕生日の花は、ネフロレピス。花言葉は、魅惑。 今日の一句は、「寄せ鍋や むかしむかしの 人思ふ」山口青邨。

 今日の記念日は、奇術の日。

2013年8月30日 (金)

安倍政権への不安「4つの強行」

 「アベノミクス」によるスタートダッシュで成功した安倍政権、「ねじれなき3年間」の切符も手に入れ、現時点ではまさに順風満帆の状況と言える。そんな安倍政権に田中 秀征・元企画庁長官は黄信号を発信した。8月29日のDIAMOND onlineサイト「田中 秀征の政権ウォッチ」がそれである。曰く・・・このまま安倍政権が、(1)消費税増税を予定通り実施、(2)原発の全面再稼働、(3)集団的自衛権行使のための憲法解釈の変更、(4)TPPの年内合意・・・この4つを強行すれば、おそらく内閣支持率は大幅に急落して政権運営がきわめて困難になるに違いない。これらは同時進行で進んでいるので、今年末が大きな山場となるだろう・・・

 MBS・TV「サンデーモーニング」のコメンテーターとしてちょくちょく登場、ニックネーム「秀征さん」で親しまれている田中氏、辛口だが論旨明快、かつ的を射た政治評論には定評がある。その田中氏が「安定多数であっても支持率が30%を割れば、政策も法案も暗礁に乗り上げて一歩も進まなくなる。自民党内に亀裂が起こって内部抗争を生み、内閣が漂流することにもなりかねない」と安倍首相に警鐘を鳴らす。直近の世論調査は、4つの強行に対して”否”とする人が増え続けている。もっと切迫すれば、もっと世論は先鋭化するだろう。「官邸主導」は「官僚主導」になるのが常、そして失敗の責任は首相個人に帰せられる・・・国益という名においてゴリ押しをしてくる官僚組織に要注意!・・・

 今日の誕生日の花は、カヤツリクサ。花言葉は、伝統。 今日の一句は、「風知って うごくや蚊帳つりぐさばかり」大野林火。

 今日の記念日は、冒険家の日。

2013年6月12日 (水)

佐々木実著「市場と権力」

 乱高下する株式市場、円高に振れつつある為替市場、金融をいくら緩和しても金利が下がらない債券市場・・・疾走してきた「アベクロ二クス」に急ブレーキがかかった感じだ。昨日の記者会見で黒田日銀総裁は言う、「政府は財政(規律)政策と成長戦略をタイムリーに、しかもダイナミックにやってほしい」と。安倍首相も、さらなる成長戦略の具体策を打ち出す構えだ。その「安倍・成長戦略」を描く参謀(軍師)は、竹中 半兵衛ならぬ竹中 平蔵氏、飯島 勲氏と共に小泉政権を裏で支えた面々である。そんな彼らに「『構造改革』を旗印に、やりたい放題をやろうとしている」と批判を強めるのは、今朝発信されてきた「藤原直哉のワールドレポート」である・・・

 このレポートには4月に発行された一冊の本が紹介されている。ジャーナリストの佐々木実著「市場と権力・・・『改革』に憑かれた経済学者の肖像」がそれだ。郵政改革、りそな銀行破綻処理・・・米国、日本の政財官学の面々を実名をあげて、事実上の国有財産強奪、利権化の実体が書かれているとのこと。書の中に、こんなフレーズがあるという「飯島の結論はこうだ。竹中が目指している方向は、フィクサーとしての安倍後見人。竹中は小泉の名を利用しながら、自らの地位を強固にし、そのまま安倍への流れをつくろうとしている」と。竹中氏は決して嫌いなエコノミストではないが、格差を生んだ構造改革のほか、弱小企業を救おうとした「金融円滑化法」に徹底批判しことなどに反発を感じたことは事実・・・さっそく購って読んで見るか・・・

 今日の誕生日の花は、ユッカ。花言葉は、勇壮。 今日の一句は、「かげ口に 淋しきものや 水羊羹」長谷川 春草。

 今日の記念日は、日記の日。

2013年3月15日 (金)

映画「ミクロの決死圏」を観て

 このところ骨董品的な懐かしい映画を放映しているNHK・BSプレミアム、昨日14日は、20世紀フォックス社、1966年制作の「ミクロの決死圏」だった。ミクロに縮小された潜航艇に乗った5人の医療チームが脳内出血を起こした人間の体内に入り、手術をするといった内容の一種のSF映画である。初めは殆ど好奇心で観ていたが、次第に引きこまれていく。それは、人体の内部がファンタジータッチで描かれていて、宇宙に非常によく似ているという神秘性に魅入られたからだ。「幻想的な旅」というのが、この映画の原題だったことが容易に頷ける。加えて非常に感動したのは、「人間の免疫力」というものの強さを知ったことである・・・

 このミクロの潜航艇、人体にとってはいわば異物である。それに対し白血球はじめ抗体など免疫物質が猛攻をかける。藻のような細胞が潜航艇や乗組員に絡みつく、その激しさ、恐ろしさたるや尋常ではない。結局、脳の手術に成功したあと、再び藻のような免疫物質の猛攻に遭い、潜航艇が破壊され乗組員1人も死ぬのである。襲ってくるウィルスやカビ、花粉、また俄かに発生するがん細胞などの異物に、我々の体内に存在する免疫物質が必死に闘ってくれる、そのことをいやというほど知らされる。この免疫物質をより強くするために我々は何をなすべきか?・・・ それは感謝を込めて、よりよき生活習慣を続けることではないか・・・

 今日の誕生日の花は、サンタンカ。花言葉は、謹厳。 今日の一句は、「山門に 見張の僧や お炬火」池尾ながし。

2013年2月 4日 (月)

「アルジェリア人質事件」の佐藤情報!?

 謎の多いアルジェリア人質事件、その政府検証委員会の会合が行われているなか、3日の「天木直人・ブログ情報」に注目する。何でも、今発売中の週刊フライデー2/15号で元外務省主任分析官・佐藤 優氏が驚くべき情報を告白しているという。すなわち、「今度の人質事件の発生直前に私(佐藤氏)のところに、中東某国の情報機関元幹部が、警告を発するために接触してきた」というのだ。その人物は言う「アルジェリアでたいへんなことが起きている。リビア崩壊によって国境地帯は武装した一団が行き来しており、日本人が標的にならないというのは、もはや神話に近い」と・・・

 佐藤氏は言う「おそらく私に接触してくる以前に、彼は日本政府の要路に働きかけていたのだろう。しかし、その反応が鈍かったことで彼は苛立っていた」と。「彼」とはいったい誰か? 天木氏はイスラエルのモサドではないかと推測する。これが事実なら、日本政府はモサドがくれた情報を活かさなかったことになる。また、「佐藤氏も外務省と敵対関係にあるとは言え、外務省に伝えるやり方はいくらでもあったはずなのに」と天木氏、元外務省同僚として慨嘆する。今回、邦人の犠牲があまりにも大きかっただけに、これらのことも検証されて然るべきだろう・・・中東における「日本人安全神話」は、もはや過去のものに・・・

 今日の誕生日の花は、ツバキ。花言葉は、控えめな美点。 今日の一句は、「流れゆく 椿は曲がり 失せにけり」松本たかし。

 今日の記念日は、銀閣寺の日。